スチールラック 業務用と家庭用の違い

スチールラックといえば、もはや誰も知らない人がいないくらいメジャーな収納アイテムです。ニトリやカインズといったホームセンターはもとより、ダイソーなどの100均でも取り扱っている人気商品のひとつです。

今回は、そのスチールラックの中でも、業務用と家庭用の違いについてご紹介したいと思います。

 

 

目次

業務用スチールラックとは?

耐荷重の上限に差がある!

安全性と転倒防止対策

組み立て

まとめ

 

業務用スチールラックとは?

 

そもそも、スチールラックに業務用と家庭用の明確な違いは定められていません。ですので、今回は、よく家庭で使われているスチールラックで、棚板がワイヤー(針金)でできている製品を家庭用、それ以外の商品を業務用として区別します。

 

おしゃれで手軽な家庭用スチールラック

 

家庭用スチールラックは、キッチンまわりの収納や本棚、家具など、いろいろなモノを収納できるアイテムとして人気の商品です。スチールラックの素材は、主に鉄などの金属で、表面をメッキ加工しています。

 

モノを置くための棚板は、ワイヤーと呼ばれる針金状の金属でできていて、なるべく重くならないような工夫がされています。 置きたいモノにあわせて棚板の位置や枚数を変えたり、フックやハンガー、バスケットといったオプションパーツを使って、自由にアレンジしたりすることができます。

 

また、組み立てるときに、ネジやボルトを使わないので工具がほとんど必要ない、という点もユーザーに受け入れられているメリットの一つです。

 

メーカーではルミナスアイリスオーヤマといったところが有名ですが、インテリア・家具のニトリでもオリジナルのスチールラックを扱っています。最近では、ダイソーなどの100均でも販売されていて、DIYでアレンジする活用術が多く紹介されています。

 

参考ブログ:「ダイソーのスチールラックはマストバイ!うまく使って収納上手に♪」(外部リンク)

 

手ごろな価格で購入できる家庭用スチールラックですが、一方で安い商品は、製造コストを下げるために強度を犠牲にしている場合が多いので、注意が必要です。

特に、棚板がワイヤーの場合、耐荷重ギリギリの重さで長期間モノを置いたり、狭い面積に重量がかかるモノを置くと、棚板が変形しまったり、壊れてしまったりする可能性があります。

重いモノを置く場合や、高さをつけて組み立てるときは、購入するスチールラックのポールの太さや、棚板の耐荷重をチェックしたうえで、耐震パーツや補強をつかって安全対策をしっかり行いましょう。

 

強度、機能が充実した業務用

 

業務用スチールラックはその名の通り、業務用として企業や会社の倉庫、学校などで幅広く使われている製品です。  

業務用スチールラックの特徴は、なんといっても強度。あらゆる使い方を想定して頑丈(がんじょう)に作られています。国内で作られている製品が多いのもその特徴といえるでしょう。

 

棚板は、通常一枚の鉄板で作られていて、一枚当たりの耐荷重も100㎏から1,000㎏の荷重に耐えられる棚板もあります。

支柱の作りも家庭用のポール状とは異なり、L字型やねじれに強いC字型の形状をしています。

しっかり作られている分、家庭用に比べるとやや価格が高いものが多いですが、使用用途や安全性を考えると、むしろコスパが良いと考えていいでしょう。

 

ただ、業務用の中でも価格の安い商品が出回っているのをよく見かけます。

 

見た目は同じでも、価格を下げるために部材の厚みを薄くしたものやパーツを減らしたものがあり、強度や横揺れなどの耐震性に不安がある製品が多いです。

業務用スチールラックを選ぶときは、耐荷重はもちろん、支柱やつなぎ目の構造などに注意しましょう。

 

 

耐荷重の上限に差がある!

 

スチールラックの家庭用と業務用の違いで、もっとも差があるのが耐荷重です。

スチールラックに表示されている耐荷重とは、棚板一枚に載せられる「モノ」の重さの上限ことを意味しています。

 

家庭用スチールラックの耐荷重

 

家庭用スチールラックの耐荷重の上限は、商品やサイズによってさまざまです。

例えば、ルミナスの製品で見た場合、ポールと呼ばれる支柱の太さで2種類に分かれます。

直径19㎜のポールの場合は、棚板1枚当たりの耐荷重が80kg~150㎏で、直径25㎜のポールの場合は、棚板1枚当たりの耐荷重が80㎏~250㎏となっています。

ただ、メーカーによって耐荷重の設定は異なります。棚板のサイズが同じでも、耐荷重がこの例より低い製品もあります。

 

特に、家庭用のスチールラックを業務用として使用する場合には、注意が必要です。

 

ニトリのスチールラックの場合、ポールの直径が22㎜あっても、1枚当たりの耐荷重は40㎏、全耐荷重でも100㎏が上限です。

このスチールラックにA4コピー用紙を箱で置いた場合、1箱(500枚×5束)で10㎏ありますので、1枚の棚板における数は規定上4箱までです。紙は意外と重いので、書類を段ボールに詰めて保管する場合でも、重さに気をつける必要があります。

 

スチールラックを購入するときは、載せるモノの重さを確認したうえで、商品を選びましょう。  

 

 

業務用スチールラックの耐荷重

 

業務用スチールラックの場合、家庭用とくらべて耐荷重の上限が一気にあがります。

ミクニヤを例にすると、棚板1枚当たりの耐荷重は100㎏~1,000㎏まで、総耐荷重では600㎏から最大5,000㎏までのモノを載せることができます。

耐荷重別にスチールラックの選び方を一覧表にまとめています。よろしければこちらを参考にしてください。

 

参考:耐荷重別スチールラックの選び方(内部リンク)

 

これだけの重さに耐えられる製品にするためには、単純に棚板の強度を上げるだけでは不十分です。

原料となる鉄鋼はもとより、支柱の形状や取り付け金具にいたるまで、一つ一つのパーツに強度や工夫が求められます。

 

 

 

安全性と転倒防止策

 

安全性と転倒防止策についても、使う場面が異なる家庭用と業務用とでは、部品や内容に差があるようです。

 

家庭用スチールラックの転倒防止策

 

家庭用スチールラックの転倒防止策は、突っ張り棒タイプの部品をつけるのが主流になっています。

ポールの最上部に、天井に突っ張る“テンションポール”という部品をつけて固定します。テンションポールの中にはバネが入っていて、締め付けることで、バネの反発力を利用して床と天井を固定するしくみです。

このテンションポールをつけることによって、地震や揺れが起きても転倒を防ぐことができます。

 

一方で、天井までポールを伸ばさないとテンションポールが使用できない、というデメリットがあります。

また、家庭の天井には石膏ボードが使われているところが多く、テンションポールの強度に耐えられない場合があります。

これは地震対策用の突っ張り棒と同じですが、テンションポールの取り付け位置に、梁(はり)が通っているか、確認してから取り付ける必要があります。  

   

業務用スチールラックの転倒防止策

 

業務用スチールラックの転倒防止策は、大きく分けて二種類あります。床にボルトで固定する方法と、転倒防止ベースという金具をつける方法です。

 

床にボルトで固定する場合、床固定用の転倒防止部材を使います。支柱と床の間に金具を取り付けてボルトで固定します。

ボルトで固定する方法をとることで確実に転倒が防ぐことができます。

 一方で、床にボルトを埋め込む必要があるため、取り付ける場所が限られるというデメリットがあります。

 

もう一つは、支柱に転倒防止ベースを取り付ける方法です。前方の2本の支柱の下に取り付けることで、足が出るようなかたちになります。

転倒防止ベースと合わせて、壁面固定用の部材を支柱に取り付けることで、前後左右の転倒を防止することができます。

壁面に2か所ボルトで固定する必要がありますが、床にボルト止めができないところでは、この金具の使用をオススメします。家庭用のように突っ張りタイプではないので、天井まで支柱を伸ばす必要がありません。

 

参考:ミクニヤ オプションパーツ ラック転倒防止用パーツ (内部リンク)  

 

 

組み立て

 

家庭用と業務用では、組み立て方法についても違いがあります。

一般的に業務用の方が、部品点数が多く難しいとされていますが、最近では業務用でもボルトレスで組み立てられる製品も出てきています。

 

ボルトレス

 

スチールラックを組み立てる方式ですが、家庭用のほとんどがボルトレスの方式となっています。

棚板とポールの固定には、プラスチックの固定パーツを使います。固定パーツは2つに分かれるようになっていて、挟み込むようにポールに取り付けて、棚板の四隅にある穴に合わせるように通します。

下に行くほど固定パーツが広がっているので、ちょうどいいところで止まるしくみになっています。

 

棚板を押し込むときにゴムハンマーがあると便利ですが、なくてもできるので、組み立てが苦手な人でもできてしまうのが、家庭用スチールラックのメリットのひとつとなっています。

 

参考: you tube ルミナススチールラック 組み立て方 (外部リンク)

 

業務用スチールラックの場合、ボルトを使って固定をするタイプが一般的ですが、最近ではボルトレス式の業務用スチールラックもメジャーな商品になっています。

業務用のボルトレス式スチールラックは、支柱にあいている穴に、棚板を置くための土台となる「棚受」や、側面を支える柱になる「ビーム」についた爪を差し込むことで固定する方式です。

ボルトを使用しないので、簡単に組み立てることができます。

また、棚板は「棚受」の上に載せているだけなので、高さを簡単に変えられることもメリットの一つです。

 

参考:スチールラックのボルトレス式とは (内部リンク)

 

キャスター

 

スチールラックが移動しやすいように、支柱に取り付けるキャスターは、家庭用にも業務用にもオプションパーツとして取り付けできるようになっています。

キャスターを取り付ける場合、耐荷重に制限がある場合があるので、特に重いモノを載せて使用するときは、耐荷重の上限に注意しましょう。

 

互換性

 

家庭用スチールラックの場合、見た目は同じに見えてもパーツの形が異なっているため、基本的には互換性がないと思った方がいいでしょう。

中には、違うメーカーのスチールラック同士の組み合わせでも、使えてしまうことがあるようです。

 

参考:スチールラックの互換性を独自で検証したブログ (外部リンク)  

業務用に関しても同様のことが言えます。

いずれにしても、部品を追加して組み立てるときは、どのメーカーのスチールラックかを確認する必要があります。

 

 

まとめ

 

スチールラックの家庭用と業務用とでは、見た目はもとより、パーツの強度や耐荷重、転倒防止の対策方法が大きく異なります。また、価格が安いと製品の品質や安全性にも影響が出てしまうことがあります。

 

家庭用、業務用に限らず、信頼できるメーカーでスチールラックを購入することをおススメします。