ホームセンターではスチールラックを手軽な価格で購入することができます。
専門店でも見た目は同じスチールラックを販売していますがどのような違いがあるのでしょうか。
今回はホームセンターのスチールラックが安価で購入できる理由と、専門店のスチールラックとの違いについて解説します。
ホームセンターのスチールラックとは?
ホームセンターで取り扱いしているスチールラックは、オリジナルの商品として打ち出している商品と、専門店の商品をラインアップに加えて販売しているケースがあります。
ホームセンターのオリジナル商品でも実際にはスチールラック専門店と契約をしたうえで、独自の価格設定やラインラップを設定した商品をオリジナルとして販売しており、自社生産しているホームセンターはほとんどありません。
また、ホームセンターがスチールラック専門店の商品を直接販売している場合でも、オリジナル商品と同様に独自の価格設定や商品ラインアップを設定しているため、同じ専門店の商品でも、価格や仕様が異なる場合があります。
ホームセンターのスチールラックと専門店との品質の違い
ホームセンターで取り扱いしているスチールラックと、専門店で取り扱いしているスチールラックの最も大きな違いは、価格の差による品質の違いです。
ホームセンターのスチール棚は頑丈さよりも安さを重点に置いているため、品質や安全性、耐久性に差が生じる場合があります。
支柱の厚みの違い
ホームセンターで取り扱いしているスチールラックは、専門店の商品と比較して支柱の厚みに違いがあります。
ミクニヤのスチールラックを例にすると、支柱で使用されている鋼板の厚みは2.0㎜のものを使用しています。
一方で、ホームセンターで取り扱いしているスチールラックの支柱は1.5㎜程度の厚みの鋼板を使用しているケースが殆どです。
使用する鋼板の厚みを薄くすることで、原材料費を押さえてその分価格を安くすることができると思いますが、その分スチールラックの強度が犠牲になってしまいますので、専門店のスチールラックと比較すると、強度や揺れに対する耐性が低くなってしまいます。
棚板の厚みの違い
ホームセンターで取り扱いしているスチールラックの棚板は、専門店で取り扱いしているスチールラックの棚板と比較して薄い鋼板を使っているケースがあります。
棚板に使用する鋼板の厚みを薄くすることで、原材料費を押さえることができるので、ホームセンターのスチールラックは価格を安く設定することができるのです。
一方で、棚板の鋼板が薄くなるとその分強度が下がりますので、ゆがみやひずみの原因になります。
設定された耐荷重以下の荷物を載せていたとしても、強度が低いと荷物の偏りや強い衝撃を受けた場合などに、棚板にゆがみが生じたり、損傷したりする可能性があります。
パーツの数の違い
ホームセンターで取り扱いしているスチールラックは、専門店で取り扱いしているスチールラックと比較してパーツの数を少なくしている点も大きな違いの一つです。
とくに揺れ止めに使用するコーナー金具を省いているケースが多く見られます。
コーナー金具を使用しないスチールラックは、静止状態では問題が無くても、地震や衝撃などでスチールラックが揺れたときに、歪んで倒壊する危険がありますので注意が必要です。
ホームセンターのスチールラックと専門店との対応の違い
スチールラックを購入する際にホームセンターと専門店では、その対応が大きく違ってきます。
スチールラックのプロに相談できる
スチールラックを専門店で購入するメリットは、プロが相談に乗ってもらえるという点です。
ホームセンターでは多種多様の商品を取り扱っているため、スチールラックの専門知識を持っている店員が必ずいるとは限りません。
また、休日や繁忙期には来店客も多く、相談しにくいということも考えられます。
そのような状況で良く調べずにスチールラックを購入してしまう、と失敗するリスクも大きくなります。
例えば、寸法が合わなかった、部品が足りなかった、または余計な部品を買ってしまった、といった失敗もしてしまうかもしれません。
一方で、スチールラックの専門店の場合は、自社で設計製造した商品を取り扱っていることもあり、スチールラックのプロに気軽に相談することができます。
素材から寸法に至るまで自分の使用用途に合わせた商品を選ぶことができるので、より安心して購入することができます。
多彩なオプションパーツが選べる
多彩なオプションパーツを取り扱っていることも、専門店とホームセンターとの大きな違いの一つです。
ホームセンターの場合、一定の商品在庫やラインアップはありますが、汎用性の高いパーツが中心になり、あまり需要のないパーツは取り扱いが無い場合や、商品ラインアップから外されているケースも考えられます。
スチールラック専門店の場合は、スチールラックを中心に商品がラインアップされていまするので多彩なオプションパーツの取り扱いがあります。
例えば、ミクニヤのスチールラックの場合、転倒防止用パーツだけでも、支柱を床に固定する床固定用の転倒防止部材や、壁固定用の転倒防止部材のほか、穴あけ加工なしでも設置できる転倒防止ベース、突っ張り棒や、転倒防止ベルトといった多彩なオプションパーツがラインアップされています。
オーダーメイドに対応している
オーダーメイドに対応していることも、ホームセンターとスチールラック専門店との大きな違いです。
ホームセンターで販売しているスチールラックは、既製の一般的なサイズの商品が並んでいます。
その理由は、できるだけコストをおさえて販売できるように、各部品の素材やサイズ、色などをあらかじめ絞り込んだうえで、メーカーに大量発注する方法を取っているためです。
このため、ホームセンターで取り扱いしているスチールラックには、欲しいサイズが無かったり、好みの色が無かったりした場合は、あきらめて置いてある商品で対応をするしかありません。
一方で、自社で生産をしているスチールラック専門店では、オーダーメイドに対応していて希望するサイズや色のスチールラックを注文することができます。
すべての専門店ではありませんが、国内の自社工場や提携工場があるスチールラック専門店では、出張で設置する場所のサイズを測る別寸対応をしてくれるところや、市販されていない形状で別注対応、カラーオーダーができる専門店もありますので、オリジナルのスチールラックを探している方は、別注対応可能なスチールラック専門店で購入することをオススメします。
コラム 業務用スチール棚のオーダーメイド(別注、特注)について
出張組み立てに対応してもらえる
出張組み立てに対応できるかどうか、という点もホームセンターとスチールラック専門店との大きな違いの一つです。
ホームセンターでスチールラックを購入した場合、自分で運んで自分で組み立てするのが基本となっています。
購入時は部品ごとに分けられてコンパクトにまとめられているものの、金属でできているスチールラックはかなりの重量があり、持ち出しや搬入作業も労力がかかります。
また、スチールラックを組み立てる際にも細心の注意が必要です。
組み立て前は不安定でバランスを崩しやすいことから、最低でも2名の人員が必要ですし、思わぬ事故を防ぐためにも細心の注意を払って組み立てることが必要になります。
スチールラックの商品やパッケージの内容によっては女性や高齢の方には組み立てが難しい場合もあります。
一方で、スチールラック専門店では出張組み立てサービスに対応しているところもありますので、組み立てに自信が無い方はスチールラック専門店の出張組立サービスを利用することをおススメします。
スチールラック組立のプロに作業を依頼できるので安心して任せることができます。
まとめ
ホームセンターのスチールラックは安価で手軽に購入できるというメリットがある一方で、棚板や支柱の厚みを薄くしたり、部品点数を少なくするなどしてコストを重視した作りになっています。
そのため、専門店で取り扱いしているスチールラックと比較すると、地震や揺れなどに対する耐性や、棚自体の耐久性に差が生じています。
また、ホームセンターではDIYが基本となっていますので、持ち運びや組み立ては自分で行う必要があります。
スチールラック専門店の製品は、耐久性や耐震性など、安全性を重視した作りになっていますし、出張組み立てやオーダーメイドといった専門店ならではの対応をしてもらえるという点で、ホームセンターとの大きな違いがあります。
スチールラックのプロに気軽に相談できるという点も専門店の大きなメリットの一つです。
このような点から、スチールラックを検討する際は、専門店で購入することをおススメします。
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