スチールラックの素材は主に鉄など金属で出来ています。
多くの金属は気づかないうちに錆が発生していることがよくありますが、どうして錆が発生してしまうのでしょうか。
今回はスチールラックに発生する錆の原因と対策方法について調べてみたいと思います。
そもそも錆びとは?
錆は、気づかないうちにいつの間にか発生していることがよくあります。
例えば、自転車で使われているチェーンや固定するためのねじやボルト、金属製の工具など、久しぶりに使おうと思ったら錆びていた!という経験をした方も多いのではないでしょうか。
この錆とは、一般的に金属が酸化や還元などの反応を起こして腐食する現象のことを言います。
錆びが発生する金属は、鉄をはじめ銅やアルミなど、金やプラチナを除くさまざまな金属で発生します。
錆びが出てしまうと、金属がもろくなったり、うまく動かなくなってしまったりすることがあります。
また、錆をそのまま放置しておくと、知らない間にサビが進行し、穴が開いてしまうこともありますので注意が必要です。
錆は金属が酸化すること
この錆とは、金属が酸素と結びついた、いわゆる酸化した状態のことです。
鉄で言えば酸化鉄の状態にあります。
もともと、自然界で鉄の原料となっている鉄鉱石は、酸素と結びついた酸化鉄の状態で存在しています。
鉄は、この鉄鉱石に電気的な反応を起こすことで酸素を取り除いて作られています。
つまり、鉄自体が人工的に作られた不安定な存在ということです。
ですので、鉄などの金属は、身近にある水や空気に含まれた酸素と結びつき、酸化することで元の安定した状態に戻ろうとします。これが、錆が発生する理由です。
スチールラックは塗装で錆びを防いでいる
スチールラックの主な素材には鉄が使われています。
このため、そのままの状態ではすぐに錆が発生してしまい、見た目や強度に問題が出てきてしまいます。
そこで、スチールラックは、表面を塗装することで素材の鉄が水や空気に含まれる酸素と結びつかないようにしています。
スチールラックは表面全体を塗装の幕で覆うことで、鉄の酸化を防ぎ錆や腐食から守ることで強度を保ちつつ、長期間使用できるよう作られています。
スチールラックが錆びる原因
一方で、塗装されたスチールラックでも錆が発生することがあります。
スチールラックが錆びる原因としては、主に次の理由が考えられます。
塗装がはがれると錆びる
スチールラックは表面を塗装することで錆を防いでいますが、使用している間にものが擦れたり、ぶつかったりすることで、塗装がはがれてしまうことがあります。
この塗装がはがれたところをそのままにしておくと、はがれたところが水や空気に触れることで酸化を起こし、錆が発生してしまうことがあります。
さらにそのまま放置してしまうと、はがれた部分の隙間から侵食し、内部まで錆が広がってしまうこともあります。
湿気多い場所や水を使う場所で使うと錆びやすい
塗装がはがれていない場合でも、湿気の多い場所や水を多く使う場所で長期間スチールラックを使用していると、錆が発生する場合があります。
これは、塗装した表面もミクロン単位で見ると穴が開いているためで、塗装された状態でも完全には酸素は遮断されていません。
このため、湿気の多い場所や水を多く使う場所では、塗装表面の細かい穴から酸素が侵入してしまい、錆びてしまうことがあります。
化学薬品でも錆びる
化学薬品を扱う場所でも、同様に錆が発生することがあります。
スチールラックの表面に化学薬品が付着すると、塗装を溶かしてしまうことや、素材の鉄と反応して酸化してしまうことがあります。
スチールラックの錆び対策
スチールラックは、鉄でできているため100%錆を防ぐことはできませんが、しっかりした対策を行うことで、錆のリスクを最小限に抑えることが可能です。
続いて、スチールラック具体的な錆対策の方法についてご紹介します。
定期的にふき取りをする
スチールラックの錆対策でもっとも基本的な方法は、定期的にふき取りをすることです。
スチールラックを使っていると、知らない間にホコリや汚れが堆積することがよくあります。
特に蓄積したホコリが結露などで水分を含んでしまうと、スチールラックの表面に長期間水分が付着することになりますので、錆が発生する原因にもなります。
そこで、定期的にスチールラックのふき取りを行えば、このような水分を含んだ汚れもすぐに取り除くことができるので、錆の発生のリスクも一緒に取り除くことができます。
また、スチールラックのふき取りを定期的に行っていれば、知らないうちについていた傷や塗装の剥がれにも気づくことができるので、錆が発生する前に、未然に対処することもできます。
錆びを発見したらすぐに落とす
もし、錆が出てしまった場合でも、発見したらすぐに落としてしまえば、錆の影響を最小限に抑えることができます。
錆びの度合いにもよりますが、表面的な錆であれば、紙ヤスリやワイヤーブラシなどで錆びた部分を削り落とし、錆止め材などを塗布しておけば、それ以上の錆の浸食を防ぐことが可能です。
逆に錆を放置してしまうと、底から錆の浸食が広がり、スチールラックの強度が低下してしまう危険も考えられます。
ですので、スチールラックに錆が出てしまった場合は、すぐに錆び落としと防錆の処理を行うようにしましょう。
アジャスターやキャスターで足元を底上げする
また、支柱にアジャスターやキャスターを取り付けて、足元を底上げすることもスチールラックの錆対策になります。
床面と直接設置する支柱の足元は、汚れや水分が付着しやすく、錆が出やすい場所の1つです。
樹脂ベースを取り付けることで直接床面との設置を避けることもできますが、長期間使用していると、樹脂ベースが劣化してしまうこともあります。
そこで、アジャスターやキャスターを足元に取り付けすれば、床面と支柱が直接接触することを避けることができるので、錆対策にもつながります。
錆び止めスプレーをする
スチールラックの錆対策として、錆が発生する前に定期的に錆止めスプレーをしておくことも効果的です。
先ほどお伝えした通り、スチールラックの塗装面にはミクロ単位で穴が開いていますので、そのままでは完全に水や空気との接触を防ぐことはできません。
そこで、錆止めスプレーを定期的に塗布しておけば、スチールラックの表面上に錆止めの幕をつくることができるので、素材の鉄を水や空気の接触から極力防ぐことができます。
錆対策にはステンレスラックが最適!
スチールラックは、錆対策をすることで錆びによる影響を最小限に抑えることは可能ですが、それでも屋外や水場などで使用するとすぐに錆びが発生してしまいます。
錆が発生しやすい場所でラックを使用する場合は、ステンレスの素材で作られたステンレスラックが最適です。
ステンレスラックは錆びにくい
ステンレスラックは、ラックの素材に錆にくいステンレススチールを使用しています。
このステンレススチールは、鉄にメッキ加工などで使われるクロムという金属を掛け合わせた合金です。
鉄に一定以上の割合でクロムをまぜると、鉄よりも先にクロムが酸化して表面全体に酸化クロムの膜ができます。
ステンレススチールは、酸化クロムの膜によって内部の鉄が酸化しにくい構造になっているため、通常の鉄と比較して、錆が発生しにくい素材となっています。
ステンレスラックは耐熱性、耐寒性が高い
加えて、ステンレスラックは、スチールラックと比較して耐熱性や耐寒性が高いのも特長です。
これは、ステンレススチールの熱伝導性が鉄と比較して低いことが理由です。
一般的にステンレススチールは1,000℃程度の温度でも形状が変化しないため、自動車のマフラーなど高温になる場所の素材としてよく使用されています。
また、ステンレススチールは、低温でも同様に温度変化がしにくく、一般的には-196℃程度の温度でも形状が変化しないため、液体窒素のタンクにも使用されている素材です。
ステンレスラックの材質の種類
ステンレスラックに使われているステンレススチールの材質には、主に2つの種類があり、それぞれ特長があります。
SUS304仕様
SUS304仕様は、原材料にクロムとニッケルを含んだステンレススチールで、SUS430仕様と比較して、さびや腐食に強いという特長あります。
また、高温、低温両方の耐熱性にも優れていることから、水や火を使用する食品加工場や冷凍保管庫といった場所での使用に適しています。
SUS430仕様
SUS430仕様は、 原材料にニッケルを使用していないステンレススチールで、SUS304仕様と比較すると安価になりますが、耐食性はSUS304仕様より劣ります。
鉄と比較して耐食性が高く、他のステンレスの仕様よりも加工がしやすいことから、台所製品、厨房製品をはじめ、自動車部品や建築物の外壁材など、様々な用途で使われています。
まとめ
スチールラックは表面を塗装することで錆による腐食を防いでいますが、塗装がはがれた場所を放置しておいたり、湿気の多い場所や水を多く使う場所で使用していると、錆が発生してしまうことがあります。
スチールラックの錆び対策としては、定期的な拭きとりや、錆び落とし、錆び止めスプレーを使う方法があります。
また、湿気の多い場所や水場など、さびやすい場所でラックを使いたい場合は、錆びにくいステンレスラックがおすすめです。
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