ネステナーとは?パレットラックとの違いについて解説

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ネステナーとは?

倉庫や物流センターの保管棚には様々な種類のものがありますが、その中でも扱いやすい棚として広く使われているのがネステナーです。

そもそもネステナーとは?

ネステナーとは、フォークリフトを使って移動や組み替えが簡単にできるスチール製の保管棚のことで、パレットに載せた状態で保管できるよう、1つのパレットが収まるサイズに設計されています。

ネステナーは、上部に2~4段ほど積み重ねられるようになっているため、平積みの場合と比較して、同じスペースにより多くの物を保管することができます。

ネステナーの特長

通常のネステナーは、金属やプラスチックなどの耐久性のある素材で作られていて、形状は直方体の骨格に、パレットを載せることができる格子状の面が底面または上面に設置されています。

ネステナーの名称の由来は、モノの中にそれと同じモノを入れた構造を意味する“入れ子”=“ネスティング”(nesting)という言葉から来ています。

ネステナーは、骨格のみで形成されていて内部が空洞になっていることから、使わないときは入れ子にしてコンパクトに収納することが可能です。

ネスティングラックやネスラックとの違いは?

ネステナーに類似するものとしてネスティングラックやネスラックがありますが、これらは製造、販売しているメーカーが製品の名称として使用している呼び方で、いずれも積み重ねて使用する棚としての使用用途は同じです。

ネステナーを販売している主なメーカーと製品名

ネステナーの形状や寸法については各メーカーや製品によって異なります。

ネステナーの種類

ネステナーは、パレットやフォークリフトとセットで利用されるのが一般的ですが、これらの使い方によって、大きく分けて2つの種類があります。

正ネステナー

正ネステナーは、荷物やパレットを乗せる格子状の面が底面にあるネステナーのことです。

正ネステナーは、フォークリフトで保管物を移動するときに、保管物を乗せた状態でネステナーごと移動することが可能です。

倉庫内のレイアウト変更が頻繁に行われる現場や、ネステナーごとトラックに積んで、別の場所でネステナーを組み立てる、といった場合に適しています。

逆ネステナー

逆ネステナーは、荷物やパレットを乗せる格子状の面が上面にあるネステナーのことです。

逆ネステナーは、底面と上面に1台で2枚のパレットを置くことができるので、正ネステナーよりも収納力が高くなります。

逆ネステナーを積み重ねて使用する場合でも、ネステナーの数+1段分のパレット収納が可能なため、少ない台数で多くの荷物を保管したい場合には逆ネステナーが適しています。

ネステナーのメリットとデメリット

ネステナーのメリット

保管効率が向上する

ネステナーは上部に積み重ねることができるため、倉庫内の収納スペースを最大限に活用することができます。

平積みで保管する場合と比較すると、数倍の保管物に対応することが可能です。

ネステナーを使うことによりスペースの無駄が減少することで保管効率が向上します。

作業効率が向上する

ネステナーは、作業効率が向上することもメリットのひとつです。

保管物を載せたままフォークリフトで移動や並び替えを自由に行うことができます。

また、保管物の入れ替えに合わせてネステナーごと移動したり、スタッキング(積み重ね)したりすることも簡単に行えるため、作業効率が向上し作業時間の節約にもつながります。

数量の変化に対応しやすい

ネステナーは、保管物の数量の変化に対応しやすい点もメリットといえます。

ネステナーは、スペースが余っているときや使わないときは入れ子にしてコンパクトに収納しておき、使うときにはスタッキング(積み重ね)して活用する、といった使い方が容易にできます。

物流倉庫などでは、取扱商品の数や種類もその時々で変わることがあります。

ネステナーは、このような変化に強く、状況に合わせた対応が可能となっています。

施工の手間や費用が掛からない

ネステナーは、組み立て施工の手間や費用がかからないことも大きなメリットです。

フォークリフトがあれば、倉庫に置いてスタッキング(積み重ね)するだけで棚としての機能を発揮することができるので、組み立てをする必要がありません。

ネステナーのデメリット

高さ調節ができない

ネステナーは、棚板に当たる格子状の面が上段または下段に固定されているため、高さ調整をすることができません。

このため、保管する物のサイズによって入らない場合や、ネステナー内部のスペースに余分ができてしまうことがあります。

転倒防止策が必要になる

ネステナーは、置くだけで保管棚として利用できるメリットがある反面、床に固定されていないことから、大きな振動や地震が発生したときには、倒壊する危険性があります。

ネステナーは製品ごとに転倒防止対策用のオプションパーツがありますので、使用する際はこのようなパーツを使ってしっかりと転倒防止対策をしておくことが重要です。

あわせて、スタッキング(積み重ね)して使用する際は重量のバランスを考慮して、重量物は上部に載せないようにする、といった対応策も必要になります。

ネステナーとパレットラックの違い

パレットラックとは?

パレットラックとは、パレットに商品や荷物を載せた状態で保管するように設計された産業用ラックのことです。

1段当たりの耐荷重が1,000㎏以上あり、重量物を保管することが可能なことから、パレット運用されている大型の倉庫や工場、物流センターなどでよく使われています。

パレットラックは、導入する際に保管する荷物や商品の大きさや、倉庫の大きさ、使用するフォークリフトにあわせて、オーダーメイドで設計、製作するのが一般的です。

設置する際は、床面をアンカーボルトでベースプレートと固定し、フレーム同士は柱継ぎをかませて接続ビスで固定するなどして、しっかりと転倒防止対策を施します。

パレットラックは床面に固定するため、移動を伴うレイアウト変更は頻繁に行えないものの、ボルトレス構造になっているビーム(横桟)は、段替えすることができるので、上下スペースのレイアウトの変更は比較的簡単に行えるようになっています。

ネステナーとパレットラックの違い

耐荷重

ネステナーの耐荷重は1段当たり1,000kgが一般的で、高さがあるネステナーや、幅が広いネステナーの場合は、1段当たりの耐荷重が500~700kg程度になるものもあります。

一方で、パレットラックの1段当たりの耐荷重は1,000kgから3,000㎏超となっているため、重量のあるものを保管する場合は、パレットラックの方が適しています。

サイズ

ネステナーのサイズは、メーカーや種類によって異なるもののパレット一枚分の大きさのものが保管できるように設定されています。

また、一般的に同一サイズのネステナーを積み重ねて使用するため、パレット1枚に収まるサイズのものを保管するには問題なく使用できますが、保管物がパレットサイズよりも大きい場合はうまく保管できない場合もあります。

一方で、パレットラックは保管する物の大きさに合わせて設計するオーダーメイドが可能です。

横桟(ビーム)の位置を変更することもできるので、高さがあるものにも対尾することができます。

組み立て作業

ネステナーは組み立て作業の必要が無いため、発注して到着したネステナーをすぐに使用することが可能です。事前に設計や組み立て作業の準備をする必要が無いため、時間とコストを節約することができます。

一方で、パレットラックはオーダーメイドで制作するため、現地調査から設計、組み立て作業に至るまでの日数がかかることから、完成までの工程をしっかり管理する必要があります。

組立作業には人工(にんく)がかかりますので、ネステナーと比較してコストが多くかかります。

レイアウト変更

ネステナーは、固定せずに積み重ねて使用するため、レイアウトの変更が容易にできます。

ネステナーごとフォークリフトで移動することもできるので、保管物の数量に合わせて増減したり、場所を移動したりするような変更も柔軟に対応できます。

一方で、パレットラックは組み立てる際に床面にボルトで固定するため、一度設置してしまうと、レイアウトの変更は容易には出来ません。

レイアウト変更をする場合は、新たに組み立て作業が必要になりますので、作業日数と作業費用も発生することになります。

運搬コスト

ネステナーもパレットラックも、製品を導入する際には運搬コストが発生します。

ただ、ネステナーは完成品で納品をするため、納入する台数にかかわらず一定の運搬スペースを取られてしまうことから、少ない台数を導入する場合は運搬費が割高になることがあります。

パレットラックは設置する場所や規模にもよりますが、基本的にはチャーター便(専属輸送)を使って運搬します。

中規模以上の物流倉庫にはパレットラックがおすすめ

ネステナーとパレットラックにはそれぞれ特長がありますので、使い方によって向いている場合とそうでない場合があります。

ネステナーについては、ボルトで固定せず、レイアウト変更が簡単にできることから、簡易的な保管棚として使用する場合や、倉庫のスペースが限ら得ている場所で使用するには大変便利な棚です。

一方で、中規模以上の物流倉庫などを運用する場合は、より安全で長期間の保管でも安心できるパレットラックがおすすめです。

まとめ

ネステナーとパレットラックは、倉庫や物流センターなどで使用されている保管棚ですが、それぞれ異なる特長を持っています。

ネステナーは、フォークリフトを使って移動や組み替えが簡単にできることから作業効率が高く、レイアウトの変更も容易に行うことができます。

一方で、パレットラックはパレットを水平に保管するためのフレームとビームから構成されていて、強度が強く1段当たり1,000㎏~3,000㎏の耐荷重にも対応することができます。

特に中規模以上の倉庫で長期間の保管や運用にはパレットラックが適しています。

ミクニヤではネステナーの取り扱いのほか、パレットラックの組立、設計に関するご相談も承っております。

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ボルトレスラック
ボルトを一切使用しないスチール棚。ボルトを使用しないので、棚の組み立てや段の移動が簡単に出来ます。
対応耐荷重① 150kg、200kg、300kg、500kg
ボルト式ラック
ボルトを使用して組み立てるスチール棚。一般的に同じ耐荷重ならボルト式の方が強度や揺れに強いです。500kg以上はボルト式棚をお勧めします。
対応耐荷重① 100kg、150kg、300kg、500kg、1000kg
セミボルトレスラック
天板と地板はボルト締めで、中板をフック金具を使用してボルトレスにしたもの。
対応耐荷重① 100kg、150kg
組立簡単ラック
弊社オリジナルのスチール棚。従来のアングル棚に特許を取得した弊社考案のスイング式コーナー金具を使用する事によって、組立に使用するボルト数を8本まで減らした組立簡単なスチール棚です。
対応耐荷重① 100kg
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スチール
鉄製のラック。一般的なラックで屋内でのご利用でしたら一番おすすめです。屋外でのご利用を想定している場合、焼付塗装をしているので、ある程度の防錆効果はありますが傷が付くとそこから錆びていきます。種類・サイズが豊富で一番安価な棚です。
ステンレス【SUS304】
ステンレス製のラック。SUS430よりも耐熱性・耐食性・耐久性に優れています。非常に錆びにくい素材なので、屋外・水場・クリーンルーム等でのご利用におすすめです。オーステナイト系で磁性を持ちません。一番高価な棚です。
ステンレス【SUS430】
ステンレス製のラック。耐熱性・耐食性・耐久性に優れています。錆びにくい素材なので、屋外・水場・クリーンルーム(クラスの高くないもの)等でのご利用におすすめです。フェライト系で磁性を持ちます。SUS304よりは安価な棚です。
高耐食めっき
鉄に特殊なメッキ層を被膜させていて、優れた耐食性・耐久性を兼ねそろえたラックです。屋外・水場でのご利用にも向いていますが、経年劣化によるメッキ剥離のリスクもございます。スチールとステンレスの間位の価格帯です。